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堀 六平と「わさびーず」の存在の意味と価値
「わさびーず」の音楽活動と、昭和30年から40年頃の音楽事情
当時の社会と音楽事情 |
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初代わさびーず
田舎のスター「わさびーず」
アメリカンフォークソングとの出逢い |
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わさびーず21
日本のフォークソングは童謡唱歌
アメリカの元々のフォークの精神とよく似ている日本の童謡唱歌 |
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過去の栄光に酔いしれてばかりいられない
番組出演
(海外研修) |
日本のフォークソングは童謡唱歌
我々の周りにはいろいろな歌があふれ、国内ばかりではなく世界のあらゆる国から、ジャンルを超えたメロディーやリズムを耳にすることができる。この恵まれた音楽環境の中、明治、大正、昭和の初期に作られた日本の童謡唱歌は衰退の一途を辿っている。まず、子どもたちがほとんど知らないし、歌わなくなった。音楽の先生が知らないし、子どもたちの親も知らない。時代の流れの中、あらゆるものや事柄の価値観が変化し新しい価値が生まれ、日本古来から大切にされてきた情操の元ともいうべき童謡や唱歌は忘れられ、失われつつある。
童謡唱歌は故郷の自然、郷土愛など「日本の土」に根ざした人間の営み、人間愛が発露になって歌い上げられた「民の歌」ともいうべき音楽である。これこそ「日本のフォークソング」であり、日本の民謡なのだ。明治、大正、昭和初期の童謡音楽作家たちや、当時のフォークソング運動のアーチストたちの活躍は、日本を愛するひとつの行動の大いなる到達点として評価し大切にすべきではないか。
人間の生活と共に生まれてきた貴重なこうした音楽を、国の未来の繁栄を支える子供たちに向けなければ、滅びの文化となってしまう。それぞれの時代で生きる活力となってきた音楽は「貴重な文化遺産であり、新しい時代への道しるべである」ということに気づいて欲しい。
アメリカの元々のフォークの精神とよく似ている日本の童謡唱歌
国の未来を託すべき子どもたちの数が激減している。昔の作家たちも同じ思いで、子どもたちに国の未来を託すため、そして子どもたちに大きく羽ばたいて欲しいという願い込めて作品を作り歌い上げていた。先人たちは国の礎を作る童謡運動を推進し、古来からの伝統を生かしながら、民衆のため、より馴染みの良い音楽作りをしてきており、正に国造りの大きな一翼を担ったといえる。これはアメリカの本来のフォークの精神とよく似ている。作家たちの心は常に子どもたちへの愛に貫かれ、ふるさとの山河に限りない愛着と同胞たちを愛する心に溢れていた。大人になってから、忘れてしまいそうな夢ロマン、愛国心を追い求めていた。便利さだけを求めて歩いてきた現代の人たちも、いま大きく揺れ動いている。人間らしく生きたいという思いが、心の片隅に残っているからだ。
社会生活の便利さは大きく進歩してきたが、心の中の情操は取り残されたままで、味気なくきわめて規格化されて個性は失われ、感動も失われてきた。信州の溢れる自然の中に安らぎを求め、新しい創造や構想を練るための故郷として古くから多くの政治家、経済人、文人墨客たちが訪れ、信州から多くの著名な作品を輩出していった。情操を失い心の文化を無くしてしまった現代の日本の姿を嘆く人は多いが、嘆いてばかりいても滅びの流れを止めることはできない。
みんなで歌おうではないか! いまこそ人間性回復の源となる童謡唱歌の復活、再生が必要な時が来たのだ。これは人間が生きていく上でも、未来に繋ぐ大切な文化復興である。音楽ルネッサンスが起きて不思議はない。
かくして六平は今日も歌い続けている。
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